スペインで不動産を購入する際、多くの日本人バイヤーが初めて直面するのが「アラス契約(Contrato de Arras)」です。
この手付金契約は、売買契約の前段階で交わされる重要な法的合意であり、双方の意思を確認し、物件を一時的に確保する役割を果たします。
🔍 アラス契約とは何か?
アラス契約とは、買主と売主が将来的に不動産売買契約を締結する意思を表明し、予約金(手付金)を支払う契約です。
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契約締結時に買主が価格の5〜10%程度を手付金として支払います
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売主は他の買い手への販売を停止します(物件予約)
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本契約に進むまでの間に、デューデリジェンスやローン審査などを行う猶予が得られます
🧾 アラス契約の法的効果と種類
アラス契約には、スペイン民法上いくつかのタイプがありますが、実務で最もよく使われるのは以下の2つです:
| タイプ | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 解約型(arras penitenciales) | 双方が契約をキャンセルできる | 買主は手付金を放棄、売主は手付金の2倍を返金して解約可能 |
| 保証型(arras confirmatorias) | 売買義務が強く拘束力あり | キャンセル時には裁判所への損害賠償請求も可能 |
📌 実際の契約内容を確認しないと、どちらのアラスか判断できない場合があります。必ず弁護士に確認しましょう。
📉 キャンセル時のリスクは?
アラス契約を締結後に、買主の都合で本契約に進まない場合:
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解約型の場合:支払った手付金は返金されません(損失)
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保証型の場合:売主が損害賠償請求を行う可能性もあります
売主が一方的に売買を拒否した場合:
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解約型では、手付金の2倍を買主に返還する義務
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保証型では、買主は裁判所に売却の強制執行や損害賠償を請求可能
📋 アラス契約書の主な項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 物件情報 | 所在地、登記番号など |
| 売買価格 | 税抜価格・税込価格両方を明記 |
| 支払条件 | 手付金額と残金の支払方法・時期 |
| 契約期限 | 本契約(公証契約)までの日付を指定 |
| 解約条件 | 一方的解約が可能か、違約金はどうか |
| 責任分担 | 各種費用・税金の支払い分担など |
✅ アラス契約を結ぶ前に確認すべきこと
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不動産の登記内容や権利関係に問題がないか?
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手付金支払い後にキャンセルした場合のリスクは?
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売主の身元と販売権限は正しいか?
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本契約までのローン審査やNIE取得スケジュールに余裕があるか?
👩⚖️ これらは弁護士による法的デューデリジェンスによって安全を確保できます。
🧑⚖️ Borderless Lawyersが提供するサポート
当事務所では、以下のようなアラス契約関連のフルサポートを日本語で提供しています:
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アラス契約書のドラフト・レビュー
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売主との交渉サポート
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デューデリジェンス(登記・担保・税務確認)
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手付金支払いの安全な方法提案
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公証契約や最終支払いまでの法的サポート
📞 不動産購入の最初の一歩を、法的に安全に進めたい方へ
アラス契約は単なる予約ではなく、強い法的効力を持つ契約です。買主にとっても売主にとっても、条件を正確に理解し、リスクを把握したうえで締結することが重要です。